授業評価 - 2009年度春学期 ドイツ語TBA (ドイツ語表現法)

 
私が担当する授業の受講生のみなさんから寄せられた意見、それに対する私のコメントを公開します。
 
2009年度春学期 ドイツ語TBA
 
回答数: 56
教科書: 小林俊明 『はじめての独作文 Version 2』 (同学社)
 
1. 以下、@とAのうち、自分の意見にもっとも近いものに○印をつけ、その理由やコメントなどを書いてください。
1) 教科書の内容は学習レベルとして適切でしたか?

  @はい・・・46
  Aいいえ・・・10
理由・コメント
○とてもやりやすかった。
○初心者でもわかりやすかった。
○簡単すぎでも難しすぎでもなく、ちょうど良かった。
○文に用いる単語があらかじめ用意されているのが良い。
○関連単語が載っていてよかった。
○第2課のところが複合的な文法項目が盛り込まれていて良かった。
○やっていて楽しい。
○もうひとつの授業のほうと合わせればとてもよく使えた。
○先生の文法解説と単語を辞書で調べられさえすればなんとか問題は解けた。
○学習レベルとしてはちょうどよいが、ただ、教科書に解説が少なすぎる。
×教科書というより問題をやっているだけだった。
×授業についていけなくなったとき、教科書を見ても文法のポイントが何もわからない。
×難しかった。
×ひとつの課にたくさんの項目が詰めこまれすぎている。
×ちょっと練習問題の量が少ない。
教員より
 教科書の選定については、肯定的な意見と否定的な意見の両方があるようですね。ねらいは、作文をすることで自然なドイツ語の文構造、表現の技巧を学び、それを身につけることです。「ドイツ語TB」の科目は、文法の学習・習得にのみ重点を置くのではなく、文法の基礎のうえにさらにドイツ語を実際に使ってみる運用能力の養成に特化した科目です。最終的には自分の思ったことを口頭でドイツ語で発信できるようになることを目標にしていますが、まずは間違いを恐れず文を組み立てていく練習をする、そのために作文の訓練はとても効果的です。ただ、この教科書では、作文を通して表現力を向上させることはできますが、文法の確認をしたいときにまったくそれが載っていないのは事実です。そのため、文法の補足は手作りの資料で用意し、また練習問題も別のプリントで補充するようにしています。
 ひとつの課に複数の文法項目が盛りこまれているという点については、むしろそのような練習こそが実践的であると思います。実際の言語表現では特定の文法だけを限定的に使うというのはまれで、ふつうは様々な文法が絡みあって総合的に文というものは作られていきます。たとえば第2課が名詞の格変化の単元だとして、そこに名詞の複数形も同時に盛りこまれているとします。複数形は複数形で別の課で扱ってほしいと思いたいところですが、実際には複数形の名詞であってもやはり格変化をしますので、名詞の格変化をメインで扱っている単元で名詞の複数形の存在を学習してしまうのは理にかなっていると言えなくもありません。もちろん、程度の差もあると思いますが、この教科書ではなるべく広い意味で関連するものが複合的にひとつの単元で扱われている印象を受けます(うえの例でいうと、広い意味で名詞の話で、単数と複数、そしてそれらの格変化)。さらに、名詞を扱う以上、名詞は文の主語や目的語として使われるのですから、文の中心である動詞と切っても切り離せません。そこで動詞の格支配(どの動詞がどんな名詞をどの格で用いるのかという決まりのこと)がすぐに関連してきます。・・・という具合です。教科書では文法の確認がしにくい文、教科書で挙げられている練習問題が意図しているところを解説しつつ、「ドイツ語TA」の授業と補完しあえるような授業にしていきます。
 この教材が「教科書」というより「問題集」だという意見も、上と関連しますね。運用能力を養成する授業とはいえ、教科書に一定の文法解説が載っているほうが望ましいでしょうから、今後の教科書選定の参考にします。今回の教科書は、意図的に文法解説は省かれていると思いますので、この教科書が何か足りないというわけではありません。

 
2) 教科書を進める速度は良かったですか?
  @はい・・・54
  Aいいえ・・・2
理由・コメント
○ゆっくりで進めやすかった。
○そんなに速くなかった。
○復習しやすいぐらいのペースだった。
○理解しながら進めた。
○深くわかりやすく進めてもらえた。
○教科書の練習問題を応用して、少し高度な話も説明してもらえた。
○次の週に、前の週の学習内容や要点を繰り返してもらえたのが良かった。
○自分のペースに合っていた。
×少し遅かったと思う。最後、テスト前は少し駆け足になった感じがするので。
教員より
 練習問題が中心の教科書の場合、どんどん問題を解いて先に先に進んでいくという形も考えられますが、この場合、「教科書を量的にすべて制覇できた」という満足感はありますが、質的に本当にひとつひとつの設問が意図しているところを理解して、必要な文法事項をもれなく抑えられたか?というと難しいかもしれません。それよりも、ひとつの設問に対して考えかたと正答例に納得したら、次は少し単語を変えて応用力を試したり、関連する表現を付け足して学んでいくといった方法で、ひとつの設問でしっかりと立ち止まって要点をもれなく確認して、それではじめて次の設問に取り組んでみる・・・という方法で進めていきたいと思っています。
 でも、最後に駆け足になってしまったのは反省材料です。。。

 
3) クラスは、学習する雰囲気として良かったですか?
3−1) 静かさ

  @静かで良かった・・・56
  A集中できなかった・・・0
理由・コメント
○みんなと仲良しというわけではないが、この雰囲気は好きです。
○静かだった。
○余計なことを話している人がいなかった。
○一切、私語がなかった。
○みんな集中していた。
3−2) 積極性
  @積極的にドイツ語を口に出して練習しようという雰囲気だった・・・51
  Aドイツ語を口に出して練習しようという雰囲気ではなかった・・・2
  どちらともいえない・・・1
  無回答・・・2
理由・コメント
○ひとりひとりきちんと発音していた。
○発音の練習のときもみんな声を出せている。
○高校のときの英語の授業と比べて、この授業のほうがみんなが声を出していると思う。
○周りが集中していて、とても勉強しやすいいい環境だった。
○周りが積極的に練習していたので、自分も積極的に練習しようという気持ちになれた。
○ペアで練習する時間がたくさんあったので、たくさんドイツ語を話せてやりやすかった。
×5限目だったので、みんな疲れていた。
教員より
 1クラスの人数が40人弱という小規模なグループでの授業であることと、とにかく90分という限られた時間の中でドイツ語を作文する、ドイツ語を話す、隣の人と要点について相談して話し合うといった具合に、常にドイツ語を使ったインタラクティブな活動ができていると思います。みなさんがとても積極的にドイツ語に取り組んでくれていることは毎回よく伝わってきます。クラス全体が集中して学ぶ雰囲気であればあるほど、90分が経過するのが速いと感じることと思います。5限目で疲れもピークかもしれませんが、ドイツ語の文構造はまるでパズルみたいで、論理的に頭の中でうまく組み立てられたらとても気持ちがよいでしょう。一方的に説明を聞くだけの講義形式ではなく、演習方式の授業ですので、どんどん思っていることを言葉に出して(ドイツ語の発音も、あるいは何か疑問があるときにも)ください。
 ひとりで考えていては気がつかないことも、ペアで意見を出しあうと見えてくる部分もあると思います。また自分の考えが合っていた!嬉しい!という経験を重ねることで自信をもってドイツ語を運用できるようになります。

 
4) 配布資料は、内容や分量は適切でしたか?
  @はい・・・54
  Aいいえ・・・2
理由・コメント
○わかりやすくて参考にしやすかった。
○テスト対策に活用できた。
○もうひとつの授業の内容確認に役立った。
○覚えなければならない箇所がまとめてあってわかりやすかった。
○図が書いてあってわかりやすかった。
○オンライン上にも資料がアップされていて良かった。
○はじめてのドイツ語なので、あれぐらいが解説プリントとしてちょうど良かった。
○多くもなく少なくもなく良かった。
×ちょっと分量が多かった。
教員より
 すでに上で話題にあがりましたが、教科書には文法解説のスペースがほとんどありません。そのため、必要な文法事項はプリントで補います。また、練習問題の数も限られていますので、もっと数をこなしていろいろなパターンの作文に慣れるためにも、少し応用力の必要な中級の問題に挑戦する意味でも、資料はプリントの形かあるいはオンライン(http://online.X-seminar.net)で提供していきます。みなさんの授業専用のオンラインサイトは毎回確認するようにしてください。いまはまだ練習問題が少なめですが、文法の要点は毎週必ず更新しています。単語ドリルもおすすめですよ。

 
5) 教員の声の大きさ、話すスピード、その他、授業をする姿勢は適切でしたか?
  @はい・・・56
  Aいいえ・・・0
理由・コメント
○とてもよかった。
○とても丁寧だった。
○いい先生だった。
○声の大きさ、話す速度ともに適切だった。
○分かりやすい授業だった。
○授業を受けていて理解しやすかった。
○ちょいちょいおもしろいです。
○聞きとりづらいことがなかった。
○基本となる挨拶を何度も繰り返してくれて、すぐに覚えることができた。
○聞きとりやすく、ノートを取る時間もあった。
○みんながノートを取っているのを待ちながら時間を取ってくれたのが良かった。
教員より
 期末試験直前は、予定していたテスト範囲まで到達させるために最後は少し駆け足になってしまったと反省して います。授業では週に1回しかみなさんと会えないので、何か言い忘れたことや「このように説明すれば良かった」と後で思うようなことでも、オンラインで補って書くようにしています。
 口頭での説明や板書をふくめて、わかりやすく進められているとすればうれしいことです。秋学期も私の持てる知識をたくさんお伝えします。

 
2.教員に対するコメント、授業の感想、授業の改善案の提案など、自由に書いてください。
・質問にもわかりやすく答えてもらって、とてもいい授業だと思う。
・先生は丁寧に授業をしてくださっているが、5限にあるのでついうとうとしてしまった。秋学期は集中したい。
・丁寧でわかりやすかった。
・いい授業だった。まじめにとりくむ気が起きた。
・教科書にある練習問題だけでは足りないので、もっと練習問題をいろいろと出してほしい。
・雰囲気もよくて、分かりやすい授業だった。
・部活が忙しくて復習がしっかりできなかったので、秋学期はもっと難しくなると思うので、授業中に集中して復習を怠らないように頑張りたい。
・ドイツ語を楽しく学ぶことができています。
・授業の最初に音楽を聴くことで、ドイツ語に親しみがもてる。
・秋学期もドイツの歌を聞きたい。
・1回休むと、もう内容がよく分からなくなった。
・インターネット版の練習コンテンツをもっと充実させてほしい。
・おもしろいしわかりやすかった。
・『魔女の宅急便』のドイツ語バージョンも見られて、教科書だけでなく実際のドイツ語に触れることができ、ドイツ語にも授業にも興味を持つことができた。
・積極的にドイツ語を声に出して練習できたのが良かった。
・教科書自体は解説などが少なくて少しわかりにくいなあと思ったが、プリントなどで補ってもらえたので大丈夫だった。
・授業も丁寧で、さらにオンライン上で解説や練習問題の補助があってとてもわかりやすかった。
・きちんと説明してくれたのでとてもわかりやすい。黒板の字も見やすく、わからないところも質問しやすい雰囲気だった。
・先生が一生懸命授業してくれているのがすごく伝わってくるので楽しかった。
・今のペースのままで秋学期もしてもらえれば良いと思う。
・パソコンで復習ができたので、とても勉強しやすかった。
・授業が毎回静かで、勉強意欲のわく授業だった。
・とても楽しくて解りやすい授業をありがとうございました。語学は苦手ですが、秋学期もよろしくお願いします。
・教科書に例題がついているともっと良かった。
教員より
 授業の最初に聞く音楽は、ドイツの音楽を知るというだけでなく、歌詞の中に描かれているドイツ人の世界観なども感じてみてください。もちろん、生きたドイツ語として、いろいろな言い回しや単語、表現を勉強できる教材にもなることは言うまでもありません。
 教科書には練習問題が少ないということ、だからもっと練習問題を補ってほしいという意見については、その通りだと思います。引き続き練習問題をたくさん用意していきます。それに関連して、オンライン上で授業専用コンテンツを公開していますが、指摘にあるとおり、まだまだ量も内容も薄い状態です。こつこつ更新していけるように努めます。
 いまこの私のコメントを読んでくださっているこの瞬間も、ドイツやオーストリアではドイツ語による何気ない会話が繰り広げられています。みなさんがドイツ語という言語の学習を切り口にして、言語(ことば)の面白さに気づいてくださればうれしいです。ドイツ語の文法に向き合うことで、私たちの母語である日本語の文法や仕組みも見えてきます。私たちは、授業でドイツ語を教えたり学んだりするのに、自分たちの母語である「日本語」という言語を使っ ています。この場合の日本語は「メタ言語」と呼ばれます。ある言語を記述するための手段として使われる言語のことで、ふつう、メタ言語で他の言語を記述しているときにはメタ言語の文法は考えません(あくまでも記述の道具なので)。しかし、私の授業では、ドイツ語の学習をしながら、メタ言語である日本語についても一定程度考えていこうと思っています。一瞬にして長い文を頭の中で処理して理解したり、また発話できる人間の言語能力はすごいですね。ドイツ語の学習は、単なる語学の勉強ではなく、言葉を高度にあやつる人間の科学でもあるのです。私のドイツ語やことばに対する情熱が伝わっているようで嬉しく思ってい ます。

 
(2009年10月15日更新)